串間市立福島中学校　昭和29年度同窓会

小高い丘の上に、福島中学校があった。
その福島中学校に我々は昭和27(1952)年4月入学した。
福島、有明、金谷、笠祇の各小学校を卒業した総勢320名の同窓が入学し1学年6クラスに分かれて3年間を学んだ。
当時の校舎は古ぼけていて北側には台風の強風で校舎の倒壊を防ぐため突っ張り柱があったが、ここは昔の宮崎県の紅茶試験場跡だと聞いていた。
校庭にはこんもりと茂った神秘的な勿体森があった。その森には誰も入ってはいけないと注意されていたので,誰も入らなかったと思う。
いったい何が祭ってあるのだろうと当時は不思議がったものである。
その森の横には大きな体育館があった。当時はそれを講堂とよんでおり、ここだけは新築ですばらしかった。
校舎の後ろは、みどり豊かな山林に囲まれていた。時には授業をさぼってその裏山で山学校をしているところを先生に見つかり叱られた事もあった。
春の野いちご、秋のとっぽ採りでは山野を駆け回ったことは今も忘れられない。
運動場はとても大きく、１周４００メートルのトラックとその横には野球グランドがあった。
時には体罰としてそのトラックを走らされた。とてもつらかった事を思い出す。
その運動場が昭和30年2月冬季、読売ジャイアンツの２軍キャンプ地になって、往年の名選手の青田や大勢の報道陣が押しかけた。
特に注目されたのは新潟県三条高校から入団した長身で足の大きな馬場投手がいた。
彼が後にプロレスラーに転進して、あの有名なジャイアント馬場になるとは世間の誰も想像しえなかった。
春の高松の長浜海岸への遠足、夏は都井崎の灯台下でソテツ林の間にテントを張って灯台の光指す海原を眺めながらキャンプもした。
秋には福島、北方、本城、都井、大束、市木の六ヶ町村中学校対抗運動会もあり、本城中学校や都井中学校まで歩いて応援に参加した事もいい思い出として残っている。
また、南那珂郡16ヶ町村中学校対抗陸上競技大会があり、応援に日南の吾田中学校まで応援に行ったこともあった。
中学校在学の3年間は楽しくもあり、苦しみもあった。今ではその全てが楽しい思い出として残っている。

（2015.1,25追記）
今、串間市は人口減少化に伴い、中学生の生徒数が減少しており、教育委員会もその対策として、福島中、北方中、大束中、本城中、都井中、市木中の旧六ヶ町村の中学校を一校に統合しようとしている。
その場合は、
①中学校をどこに置くのだろうか？
今の福島中学校かな、生徒は各地からスクールバスで送迎するでしょうから遠隔地からの送迎時間が問題になるでしょう。
②中学校名はどうする？
当然、福島中学校という名前は使えないでしょうから、新校名になるでしょう。
「串間中学校」かな。

（2017.1,15追記）
平成29年4月串間市6中学校を統合した串間中学校が開校するにあたり、平成29年3月末で現行6中学校も閉校となる。
平成29年2月18日には福島中学校も閉校記念式典と（偲ぶ会）が開催される。
この模様は写真集をご覧ください。

(2017.3.21追記)
平成29年3月31日付けをもっで福島中学校も閉校となり、我らの学び舎であった福島中学校も名を変え「串間中学校」となる。
しかし、我々が卒業した福島中学校の名は永遠に続くのである。よってこのホームページも永遠に継続して行きます